《「陰」と同語源》
1 日・月・星・灯火などの光。「月の―」「木陰にまたたく灯火 (ともしび) の―」
2 光が反射して水や鏡などの表面に映った、物の形や色。「湖面に雲の―を落とす」
3 目に見える物の姿や形。「どこへ行ったのか子供たちの―も見えない」
4 物が光を遮って、光源と反対側にできる、そのものの黒い像。影法師。投影。「夕日に二人の―が長く伸びた」
5 心に思い浮かべる、人の顔や姿。おもかげ。「かすかに昔日の―を残す」
6 ある現象や状態の存在を印象づける感じ。不吉な兆候。「忍び寄る死の―」「社会に暗い―を落とす事件」
8 つきまとって離れないもの。
「寄るべなみ身をこそ遠く隔てつれ心は君が―となりにき」〈古今・恋三〉
9 やせ細った姿のこと。
「恋すれば我身は―となりにけりさりとて人に添はぬものゆゑ」〈古今・恋一〉
10 死者の霊魂。
「亡き―やいかが見るらむよそへつつ眺むる月も雲隠れぬる」〈源・須磨〉
11 よく似せて作ったもの。模造品。
「誠の小水竜は、蔵に納め―を作りて持ったる故」〈浄・五枚羽子板〉
12 江戸時代、上方の遊里で揚げ代2匁の下級女郎。