い・ぬ【^▽往ぬ／^▽去ぬ】

の解説

［動ナ変］

1. １ 行ってしまう。去る。

   1. 「旅に―・にし君しも継ぎて夢に見ゆ我 (あ) が片恋の繁ければかも」〈万・三九二九〉

1. ２ 時が過ぎ去る。時が移ってその時刻になる。

   1. 「暮れの―・ぬるにやと覚えて」〈大鏡・道長下〉

1. ３ 世を去る。死ぬ。

   1. 「隠 (こも) り沼 (ぬ) の下延 (したは) へ置きてうち嘆き妹が―・ぬれば」〈万・一八〇九〉

1. ４ 腐る。悪くなる。

   1. 「うどんも出しも―・んである」〈咄・臍の宿替・一〉

［動ナ五（四）］に同じ。

1. 1. 「辛い悲しいことは皆一人で背負うて―・ぬつもり」〈露伴・椀久物語〉

[補説]ナ変は現在関西方言で用いられる。また、近世中期以降、四段化して用いられるようにもなった。

出典：デジタル大辞泉（小学館）

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