・・・チェホフが、当時の一部のインテリゲンツィアに対して抱いた憎悪の最大な原因は、彼等の頭脳の怠惰さであった。「彼らは、いつも不平をこぼし、躍気になって何も彼にもを否定します。怠惰な頭脳には、主張することよりも否定する方が容易だからです。」そして・・・ 宮本百合子 「マクシム・ゴーリキイの発展の特質」
・・・要求そのものとしてはいかにもはっきりとしていて、しかもその要求をめぐってゆく心は何となし厚皮していて怠惰だという現代の低い心理を、青年のために悲しむのは私が作家だからばかりではないと思う。 若い女のひとが結婚の相手として、先ず経済上の安・・・ 宮本百合子 「若い世代の実際性」
・・・理論的には進歩的に見える男が家庭では封建的な良人であるというようなことも、良人と妻という住み古した伝来の形態の上に腰をおとして怠惰であるからこそのことで、もし愛がいきいきと目をくばって現実の自分の相手を見ているのであったら、たとえば、若い人・・・ 宮本百合子 「若き世代への恋愛論」
出典:青空文庫