・・・世界が連合国憲章をつくって、真から戦争とファシズムに反対し、一つの民族によって隷属させられる条件を否定している現代の歴史の中で、男と女は互の隷属から解放され、人間の仲間としての両性として生きられるように協力しようとしている。男と女を人民とい・・・ 宮本百合子 「明日をつくる力」
・・・茶坊主政治は、護符をいただいては、それを一枚一枚とポツダム宣言の上に貼りつけ、憲法の本質を封じ、人権憲章はただの文章ででもあるかのように、屈従の鳥居を次から次へ建てつらねた。 おととしの十二月二十日すぎに、巣鴨から釈放されて、社会生活に・・・ 宮本百合子 「五〇年代の文学とそこにある問題」
・・・資本の利害と打算は国際的であって、ファシズムの粉砕、世界の永続的な平和確立のための努力という、世界憲章のたてまえやポツダム宣言の履行と矛盾しながら、なおかつ資本は資本と結びつき得る本質のものであり、その利害には道義をつきのけたつよい共通性が・・・ 宮本百合子 「三年たった今日」
・・・ ヨーロッパの婦人たちが、民主平和のヨーロッパ再建のための連合国憲章にもとづいて、婦人たちの大統一戦線をこしらえはじめたこころもちは、同感される。第一次欧州大戦のあと、ヨーロッパ諸国の心ある人々が男も女も、平和の永続のために、どんなに苦・・・ 宮本百合子 「世界の寡婦」
・・・国連を支持するとならば、それは国連の良心を支持し、それを堅持させるように努力することしかない。国連憲章は第二条第四項で、領土保全と政治的独立に対して武力をもって脅威することを禁じている。第七項にその国の内政に干渉する権能を国連に与えてはなら・・・ 宮本百合子 「世界は求めている、平和を!」
・・・ 新しく採択された中華人民共和国の大憲章が、その第一章第六条、第五章第四十八条に「婦人を束縛する封建制度を廃止」し、母性福祉を約束していることは当然といいながら、その現実的な価値ははかりしれません。なぜなら、新しい中国の人民社会において・・・ 宮本百合子 「宋慶齢への手紙」
・・・もしそういうことをするならば、言わず語らずのうちにこの愛嬌よい内閣は本質において戦争というファシズムに対して反対しないという恐ろしいことになりますから、ポツダム宣言や連合国憲章が全く愚弄されたことになりますから、愛嬌のよい内閣は正直というこ・・・ 宮本百合子 「本当の愛嬌ということ」
来る二十一日から四日間にわたって日本ではじめての全国的な文化会議がもたれることになった。ポツダム宣言を受諾してから二周年、連合国憲章が出来てからも第二回の記念日を迎えた秋、私たちの日本でこういう文化的な会議がもたれることは・・・ 宮本百合子 「明瞭で誠実な情熱」
出典:青空文庫