・・・直接編輯にあたって、解題を書いている手塚英孝は、小林多喜二がプロレタリア文学の領域に活動した時期、最も親しい仲間の一人であった。小田切進は、小林多喜二をふくむ日本の人民解放運動とその文学運動の成果を最もよく今日と明日の歴史の発展のうちに生か・・・ 宮本百合子 「小林多喜二の今日における意義」
・・・洋学を習いはじめたのは三十四歳、手塚律蔵という人が先生であった。千賀子と云う祖母がよく、これでお前、私だって祖父さまのお手伝をして英語を昔は知っていたもんだよ。鵞鳥の太い羽根の先を削ってペンをこしらってね。礬水びきの美濃紙へ辞書をすっかり写・・・ 宮本百合子 「繻珍のズボン」
・・・――が、後見の手塚準之助が、あのひと、あのひとと呼ぶ彼女は、世間で云うままの内容において奥さんなのであろうか? 息子を持った中年の女を他に呼びようないので便宜上の呼び名であるのだろうか。せきは、一言の下に、「玄人さお前さん、一目見たって・・・ 宮本百合子 「牡丹」
・・・ だが今は○手塚がつかまったと教えに来たときのm、かすりの着物をきて。○わすれて行った本 届ける つい そこだって○なべやきうどんを云いつけにゆく○待っている 約束のハガキのよみちがい○お菓子のこ・・・ 宮本百合子 「無題(十三)」
出典:青空文庫