・・・に連載した拙著論文【「連句雑俎」】を参照されたい。現在の論文は、これと「二枚折り」になる性質のものである。 寺田寅彦 「映画芸術」
・・・ なお拙著「蒸発皿」に収められた俳諧や連句に関する所説や、「螢光板」の中の天災に関する諸編をも参照さるれば大幸である。 寺田寅彦 「日本人の自然観」
・・・海洋に関する物理的事項の重なるものについては近頃出版した拙著『海の物理学』にその梗概を述べておいた。なお直接水産方面に関して、自分の知っているだけの僅少な例を挙げてみると、第一に漁具ことに網の研究である。各種の網糸の強弱弾性やその温度湿度に・・・ 寺田寅彦 「物理学の応用について」
・・・ 谷崎君はこの拙著を評せられるに当って、わたくしが何のために、また何の感興があって小説をかくかという事を仔細に観察しまた解剖せられた。谷崎君の眼光は作者自身の心づかない処まで鋭く見透していた。 ここでちょっと井原西鶴について言いたい・・・ 永井荷風 「正宗谷崎両氏の批評に答う」
・・・僕としては聊考慮を費したつもりである。拙著の版権問題について賠償金の事を山本さんに一任したのは、累禍を他人に及す事を恐れたが故であった。 拙著「あめりか物語」の著作権は博文館が主張するが如く、其の専有に帰しているものではない。同書の原稿・・・ 永井荷風 「申訳」
・・・そもそもこの物理学の敵にして、その発達を妨ぐるものは、人民の惑溺にして、たとえば陰陽五行論の如き、これなれども、幸にして我が国の上等社会には、その惑溺はなはだ少なし。拙著『時事小言』の第四編にいわく、「ひっきょう、支那人がその国の広・・・ 福沢諭吉 「物理学の要用」
出典:青空文庫