-
・・・あらゆる既存の人生観はわが知識の前にその信仰価を失う。呪うべきはわが知識であるとも思うが、しかたがない。何らかの威力が迫って来て、私のこの知識を征服してくれたら、私は始めて信じ得るの幸福に入るであろう。 されば現下の私は一定の人生観論を・・・
島村抱月
「序に代えて人生観上の自然主義を論ず」
-
・・・「文学者や思想家が、既存の社会通念に無批判に服従することでのみ仕事をすべきだとする考えは、人類に進歩があるべきであるならば、有害な考えである。既存の社会通念を批評し訂正するという思想家や芸術家の働きが、現在の文化を形成して来たのである」と。・・・
宮本百合子
「人間性・政治・文学(1)」