・・・そうしてここに我々が論者の不注意に対して是正を試みるのは、けだし、今日の我々にとって一つの新しい悲しみでなければならぬ。なぜなれば、それはじつに、我々自身が現在においてもっている理解のなおきわめて不徹底の状態にあること、および我々の今日およ・・・ 石川啄木 「時代閉塞の現状」
・・・ゴロツキ新聞の排除、用紙配給の是正、購読者の要求への即応という掘割をとおって、戦後の小新聞は、民主的な性格のものをふくめて、大企業新聞に吸収された。そして、一九四九年の秋の新聞週間には「新聞のゆくところ自由あり」と、記者たち自身にとってもけ・・・ 宮本百合子 「五〇年代の文学とそこにある問題」
・・・例えば作家研究を飽く迄文学の中で行おうとする正常な意企をもつ評論家が作家のタイプに関心をひかれて、タイプの共通にかかわらずそこに模する本質的なものについて余り注目を深めなかったり、歪曲された功用論への是正としての芸術本質論の方法において、文・・・ 宮本百合子 「昭和十五年度の文学様相」
・・・「法令が適正に運用されているかどうかを注意し、いやしくも非道、不正を発見したときにはこれが是正につとめなければならない。これは個人の被告人がいかなることをしたかということを離れて、公の公共的な立場において国家のために監視しなければならない。・・・ 宮本百合子 「それに偽りがないならば」
・・・日本や中国の新民主主義がすすまなければならない歴史の道の上には、封建性を排棄しようとするブルジョア民主主義の要求と、すでに帝国主義の段階にまで進んでいる資本主義的な社会悪を是正しようとする社会主義的な民主主義的方法の必要が、からまり合って、・・・ 宮本百合子 「誰のために」
・・・ 企業家のサボタージュを罰することも、是正する力も失っているのに、労働運動取締りの四相声明を公表した当局は、「各種民需産業を振興」というが、どんな成算をもっているのだろうか。元大審院部長・元司法次官三宅正太郎という人が、中央労働委員会の・・・ 宮本百合子 「モラトリアム質疑」
出典:青空文庫