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・・・福地桜痴、末松謙澄などという人も創業時代の開拓者であるが、これらは鍬を入れてホジクリ返しただけで、真に力作して人跡未踏の処女地を立派な沃野長田たらしめたのは坪内君である。 有体にいうと、坪内君の最初の作『書生気質』は傑作でも何でもない。・・・
内田魯庵
「明治の文学の開拓者」
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・・・研究も、未踏であった先史の中に第一歩を印した古典として、読まるべき意義を失ってはいないのである。 一八六一年に書かれたこの『母権論』の功績は、著者バッハオーフェンが自身の神秘的な観念に制約されつつも、熱心にギリシア、ローマ等の古典文学を・・・
宮本百合子
「先駆的な古典として」