杓子で腹を切る
できるはずがないこと、また、形式だけのことをするたとえ。すりこ木で腹を切る。
杓子は耳掻きにならず
大きいものが、必ずしも小さいものの代わりにはならないたとえ。
杓子を渡す
《「杓子」は主婦権の象徴とみなされるところから》姑 (しゅうとめ) が嫁に家政を譲る。
しゃくしあたり【杓子当(た)り】
1 杓子で盛りつける食べ物の量の多少。「—で給仕の動静を察 (さと) るような」〈紅葉・多情多恨〉 2 給仕をする人の、客に対する好意の度合い。「宿場宿場の飯盛さへ、—のわりいこちとら」〈人・梅児誉美・初〉
しゃくしがい【杓子貝】
1 シャクシガイ科の二枚貝の総称。貝殻は白色、球形でよく膨らみ、後端が柄のように長く伸び、杓子状をしている。沿岸の水深50〜200メートルの海底にすむ。 2 イタヤガイの別名。貝殻に柄をつけて杓子にするのでいう。
しゃくしがた【杓子形】
しゃくしのような形。また、その形をしたもの。
しゃくしかほう【杓子果報】
[名・形動ナリ] 1 うまい食事に恵まれること。たくさんの食べ物の分け前にありつくこと。「かかに若菜をそろへさせ、—のわが身といふを」〈浮・織留・六〉 2 よいものや、よい状態を得る好運に恵まれること。また、そのさま。「品川は—な大一座」〈柳多留・六〉
しゃくしじょうぎ【杓子定規】
[名・形動]《曲がっている杓子を定規代わりにすること、正しくない定規ではかることの意から》すべてのことを一つの標準や規則に当てはめて処置しようとする、融通のきかないやり方や態度。また、そのさま。「—な考え方」「—に扱う」
しゃくしづら【杓子面】
額とあごが出っ張っている、中くぼみの顔。
しゃくしな【杓子菜】
タイサイの別名。葉の形が杓子状をしている。