[名]
  1. アヤメ科の多年草。湿地に群生。葉は剣状で幅広く、基部は鞘 (さや) になり茎を挟む。初夏、濃紫色の花を開く。外花被3枚は垂れ、中央に黄や白の斑紋がある。内花被3枚は小さく、直立する。園芸種には白花もある。古くは花汁で布を染め、書き付け花とよばれたという。かおよぐさ。 夏》「—べたりと鳶 (とび) のたれてける/蕪村

  1. 襲 (かさね) の色目の名。表は二藍 (ふたあい) 、裏は萌葱 (もえぎ) 一説に、表は薄萌葱、裏は薄紅梅

  1. 紋所の名。カキツバタの葉と花を図案化したもの。

[枕]
  1. 花の美しさから、「にほふ」「丹 (に) つらふ」にかかる。

    1. 「—につらふ君を」〈・二五二一〉

  1. 花が咲くところから、「さき」にかかる。

    1. 「—佐紀沼 (さきぬ) の菅を」〈・二八一八〉

[補説]曲名別項。→杜若

謡曲三番目物旅僧三河八橋 (やつはし) に来ると、杜若の精が現れ、伊勢物語の話をし、在原業平 (ありわらのなりひら) の歌の功徳 (くどく) で成仏したことなどを語る。

出典:青空文庫

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2023年11月