[副]
1 ある事が確かな事実であるさま。まちがいなく。本当に。「事実は―予言のとおりだった」
2 実現・継続の時点を強調するさま。ちょうど。あたかも。「彼は―車から降りた瞬間、凶弾に倒れた」
3 《漢文訓読から起こった用法》
㋐(「当に」とも書く。「まさに…べし」などの形で)当然あることをしなければならないさま。ぜひとも。「学生たる者―学問に励むべきだ」
㋑(「将に」とも書く)(「まさに…せんとする」などの形で)ある事が実現しそうだという気持ちを表す語。今にも。「飛行機が―飛び立とうとしている」
4 (主に、あとに反語表現を伴って)どうして…しようか。
「あやしかりつるほどのあやまりを、―人の思ひとがめじや」〈源・紅葉賀〉
出典:青空文庫
・・・気を洗ってしまえば、正に菊池は立派な苦労人である。その証拠には自・・・ 芥川竜之介「兄貴のような心持」
・・・をちらりと見るなり、正に嫣然と一笑したんだ。おやと思ったが間に合・・・ 芥川竜之介「一夕話」
・・・これが僕にとっては、正に第一の打撃だった。僕は彼等の関係を肯定し・・・ 芥川竜之介「開化の良人」