・・・ 日本最大の毎日新聞を通じて、数百万の読者がこの思想をよみ、何と考えるであろうか。 この文章には、現実を理解していない作者の大きい考えあやまりがある。たしかに、平和を守ることは、戦うより困難である。いまの日本の人民男女たるわたしたち・・・ 宮本百合子 「戦争はわたしたちからすべてを奪う」
・・・ 十一月十八日の第二回公判をひかえて、竹内被告の上申書は読売新聞独特の特色を発揮して出来るだけセンセーショナルに扱われたのであったが、翌十六日の朝の毎日新聞には「謎包む二つの手記」「変転する竹内被告の心境」というまた別の記事があらわれた・・・ 宮本百合子 「それに偽りがないならば」
・・・この頃は毎日新聞にチャーチルの第二次大戦の回想録が出ている。それにもうかがわれるとおり一九一八年に敗戦国となったドイツの人民はカイゼルの軍国主義政治、植民地をひろげようとする侵略政策をやめて、当時発達していたドイツの科学と工業の実力で平和で・・・ 宮本百合子 「それらの国々でも」
・・・ 九月二十五日頃から毎日新聞にもとのアメリカ駐日大使グルーの回想記がのりました。その中でグルーは一九三三年頃の満州事変にふれこういっています。日本人ほど自分をだますのがうまい国民はない、日本人は戦争が悪いとは思っていない、と。私はその記・・・ 宮本百合子 「討論に即しての感想」
十二月二十六日の午後、毎日新聞社から電話がかかって来た。そして、経済安定本部長官和田博雄が、二十三年度の勤労者のための経済白書を出したから、それについて意見をききたいということだった。わたしは経済について専門の知識はない。・・・ 宮本百合子 「ほうき一本」
出典:青空文庫