・・・ 各国の有業者の人口に対する比率で見ると、婦人有業者の第一位を占めるのはフランスであり、次がドイツ、続いて日本の順である。男の有業者との割合では、男五九・一に対する女三一・九で、婦人の働きての数の多いことでは日本がほとんど世界第一位を占・・・ 宮本百合子 「新しい婦人の職場と任務」
・・・人口比率は一人の自由人に対して五人ぐらいの奴隷があって、その奴隷が生活に必要なすべての労役的仕事をしていた。紡ぐことも、織ることも、縫うことも、奴隷がした。主に女奴隷が主人たちの必要のために糸を紡ぎ織りして、主人たちは直接そういうことをしな・・・ 宮本百合子 「衣服と婦人の生活」
・・・ 五ヵ年計画が着手された当時、最高経済会議の調査によると、熟練工、不熟練工の比率はこうだった。熟練工 四一パーセント不熟練工 五九パーセント それを五ヵ年計画によって、一九三三年の終りまでには熟練工六〇パー・・・ 宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェト同盟の文化的飛躍」
最近の統計によると、日本人の人口比率において婦人の人口が三百万ばかり男子人口よりも多くなっていることが示されました。 この事実は何を物語っていることでしょう? この簡単な数字は野蛮な戦争を強行した日本の封建的・軍事的権・・・ 宮本百合子 「国際民婦連へのメッセージ」
・・・何故なら、どこの国でも文化のことが言われる場合、科学の方面と文学の面とは常に車の両輪のように考えられて来ているし、知識人の日常生活の文化を内容づけているものの比率から言っても、文学は重大な一半を占めているのであって、実際に即して見れば、今日・・・ 宮本百合子 「今日の文学の鳥瞰図」
・・・今こそ数はわからないが、先頃の人口調査の結果では、男女の人口比率で、日本では婦人が男子よりも三百万人多かった。ヨーロッパの国々とちがって、これまでの日本は大体男女人口比率が平均していたのに、この戦争のあとでは、三百万人も婦人が多くなった。つ・・・ 宮本百合子 「世界の寡婦」
・・・その勤労して生きる人民の人口比率を見れば三百万人の女子人口が過剰している。今更繰返す必要の無い性生活全面の困難は大きい。人間らしくまともに生きようとする私たちの足もとには、何とひどい凸凹があるだろう。たまに美しい空の色をうつしている場所があ・・・ 宮本百合子 「人間の結婚」
・・・社会の基礎が社会主義的なソヴェトにおいてさえ、新しい芸術組織の中に割り込んでいる過去のブルジョア勢力の比率につれて、文壇にブルジョア的影響をある時は強く、今は次第に弱く与えている。 だから、日本のようにブルジョア勢力がもう新鮮な文化的芽・・・ 宮本百合子 「文壇はどうなる」
・・・食糧では、人口と耕地面積比率においてソヴェトが安定しているのは、自然であろう。近代戦争の決定的要素は鋼鉄、石油、輸送力である。この数字を見て、日本のわたしたちは、ソヴェトが戦争をけしかけているというファシストの宣伝が事実上の根拠をもっていな・・・ 宮本百合子 「平和への荷役」
・・・人口の九割五分が勤労者として生活している時、その人口の男女比率で婦人が三百万人も多い時、これらの勤労する全人民を、人口の半分以上の婦人のよろこびや悲しみや希望を表現する人間の表情としての文化が昔のままの少数の人、あるいは独占的営利主義の産物・・・ 宮本百合子 「明瞭で誠実な情熱」
出典:青空文庫