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・・・この婆娑羅の大神と云うのが、やはりお島婆さんのように、何とも素性の知れない神で、やれ天狗だの、狐だのと、いろいろ取沙汰もありましたが、お敏にとっては産土神の天満宮の神主などは、必ず何か水府のものに相違ないと云っていました。そのせいかお島婆さ・・・
芥川竜之介
「妖婆」
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・・・丁度兄の伊藤八兵衛が本所の油堀に油会所を建て、水藩の名義で金穀その他の運上を扱い、業務上水府の家職を初め諸藩のお留守居、勘定役等と交渉する必要があったので、伊藤は専ら椿岳の米三郎を交際方面に当らしめた。 伊藤は牙籌一方の人物で、眼に一丁・・・
内田魯庵
「淡島椿岳」