・・・奴隷的大学法案が出されています。言論出版の自由というものはどうでしょうか。科学が一つの歴史的情熱となっているソヴェトと比べて、日本の科学はどんな扱いをうけているでしょう。知能労働者はこちらでは休みの家もなく、業績に対して社会的保証がありませ・・・ 宮本百合子 「質問へのお答え」
・・・人民の公器であるラジオの民主化がいわれているうちに、政府は全く官僚統制の放送事業法案を議会に上程した。これらの言論・出版の自由の抑圧にしても、きょうでは、出版の民主化とかラジオの自由な発展とかいう表現に便乗して行われようとしているのである。・・・ 宮本百合子 「便乗の図絵」
・・・大学法案というものを出して、これもごうごうの非難をあびている。大学法案は日本の学問が自主的に発展してゆく道を失わせるために最も効果がある。たださえ日本人は猿まねと軽蔑をまねいて、心ある日本人に苦しい思いを抱かせているその日本の学術精神から、・・・ 宮本百合子 「平和をわれらに」
・・・大学法案に反対して、日本の学問と大学の自主をまもりとおした学生の意欲。日本の愚民教育に反対する世論を、全日本的な発言として組織した情熱。そしていま、日本から理性の存在そのものをつみ取ろうとするレッド・パージに対する反対。一つとして、われわれ・・・ 宮本百合子 「若き僚友に」
・・・ところが、ここに政府の戦時利得税、財産税についての法案が臨時議会を通過した。先達てラジオで読売新聞社の論説部員が、非常にはっきりと分りよく、私達の生活にとって、この戦時利得税と財産税というものが、どういう関係を持っているかということを説明し・・・ 宮本百合子 「私たちの建設」
出典:青空文庫