・・・追憶の文章を流暢に書きすすめるとき、逸見氏の胸中に去来したのは、いかなる思いであったろうか。 野呂を尊敬し、後進する人間的な社会理念にとってその生きかたこそ一つの鼓舞であると感じることが真実であるならば、逸見氏は、どうして知識人の勇気を・・・ 宮本百合子 「信義について」
・・・そして、流暢なアメリカ語をしゃべる通弁から、ここが革命までは何という貴族の邸宅であったか、現在は年に何千人の学者に便宜を与えているか、ソヴェト・ロシア文化施設の一端をききとるだろう。が、エジソン自身ここへは泊らぬ。彼の有名な食糧鮭の切身をは・・・ 宮本百合子 「スモーリヌイに翻る赤旗」
・・・翻訳も流暢と云えないまでも、忠実にされていることがわかる。「支那ランプの石油」その他この作者の作品を読んで見たいと思わせる作品である。 注意をひかれるのは、この作者が、「外国人は全部四川省からも揚子江からも、いまに追い出されてしまうよう・・・ 宮本百合子 「「揚子江」」
出典:青空文庫