うか・ぶ【浮（か）ぶ／^×泛かぶ】

の解説

［動バ五（四）］

1. １ 物が液体の表面や中間、または空中に存在する。浮く。「雲が—・ぶ」「ボートが湖水に—・ぶ」「太平洋に—・ぶ島」⇔沈む。

1. ２ 物が液体の表面や空中などに、底から離れて上がる。浮く。浮かび上がる。「沈没船から油が—・ぶ」⇔沈む。

1. ３ 心の中に上ってくる。意識に出てくる。「名案が—・ぶ」「彼のおもかげが—・ぶ」

1. ４ 表面に出てくる。「苦悩の表情が—・ぶ」「涙が目に—・ぶ」

1. ５ 物がその姿かたちを目立たせる。「霧の中に木立が黒く—・んでいる」

1. ６ よくない境遇から脱する。よい方に事態が向かう。→浮かばれる

   1. 「小夜さんが其気になりゃ、小夜さんも幸福 (しあわせ) だし、君も—・ぶ」〈二葉亭・其面影〉

1. ７ 陽気になる。浮く。

   1. 「心配気な、—・ばない顔色をして」〈啄木・赤痢〉

1. ８ 死者の霊が慰められて安らかになる。成仏する。→浮かばれる

   1. 「流れ出 (いづ) る涙に今日は沈むとも—・ばむ末を猶 (なほ) 思はなむ」〈山家集・下〉

1. ９ 気持ちなどが動いて定まらない。落ち着かない。うわついている。

   1. 「女の宿世は、いと—・びたるなむあはれに侍る」〈源・帚木〉

1. 10 根拠がない。いいかげんである。

   1. 「都にはいと—・びたる事ども、心のひきひき言ひしろふ」〈増鏡・三神山〉

   2. →浮く［用法］

［動バ下二］「うかべる」の文語形。

類語

• 浮く(うく)
• 浮き上がる(うきあがる)
• 浮かび上がる(うかびあがる)

関連語

• 浮かべる(うかべる)

出典：デジタル大辞泉（小学館）

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