浮世は牛の小車
《「牛」に「憂し」を掛けて》この世はつらく苦しいことばかりがめぐってくるということのたとえ。
浮世は夢
《李白「春夜宴桃李園序」から》この世はすべてはかないということを夢にたとえたもの。
浮世を立つ
この世に生きながらえる。生計を立てる。「算用に—・つる京ずまひ/芭蕉」〈炭俵〉
うきよえ【浮世絵】
江戸時代の風俗、特に遊里・遊女・役者などを描いた絵。江戸の庶民層を基盤に隆盛した。肉筆画と木版画があり、特に版画は菱川師宣 (ひしかわもろのぶ) に始まり、鈴木春信らによる多色刷りの錦絵 (にしきえ) 技法の出現によって大いに発展した。代表的作者として、喜多川歌麿・歌川広重(安藤広重)・葛飾北斎などが有名。西洋近代絵画、特に印象派に与えた影響は大きい。
うきよおとこ【浮世男】
好色な男。「世間の色の道に立ち入る—ども」〈浮・禁短気・六〉
うきよがさ【浮世笠】
江戸時代、貞享・元禄(1684〜1704)ごろ、若衆などの間にはやった当世風の笠。
うきよがたり【浮世語り】
この世のつらいこと、不幸なことについて語ること。また、世間話。浮世話。「わが身の上になりぬべき、—も恥づかしや」〈謡・山姥〉
うきよぐるい【浮世狂ひ】
遊女に熱中すること。色ぐるい。「悋気 (りんき) するではなけれども、—も年による」〈浄・出世景清〉
うきよこうじ【浮世小路】
裏長屋など、浮世の縮図のような小路。また、世間、世の中の意にもたとえていう。→浮世小路 (うきよしょうじ) 「—の何軒目に狭苦しく暮らした時とは」〈漱石・草枕〉
うきよごころ【浮世心】
この世に執着する心。酒色などの享楽にひかれる心。