涼しい顔
自分にも関係があるのに、他人事のように知らん顔をしているようす。 [補説]文化庁が発表した令和4年度「国語に関する世論調査」では、「涼しい顔をする」を、本来の意味とされる「関係があるのに知らんぷりする」で使う人が22.9パーセント、本来の意味ではない「大変な状況でも平気そうにする」で使う人が61.0パーセントという逆転した結果が出ている。
涼しき方
清らかで気分さわやかな世界。極楽浄土。地獄を焦熱の所とみるのに対していう。「いかなる所におはしますらむ。さりとも—にぞと思ひやり奉るを」〈源・総角〉
涼しき道
極楽浄土に行く道。また、極楽浄土。「出立 (いでたち) いそぎをのみおぼせば、—にもおもむき給ひぬべきを」〈源・椎本〉
出典:青空文庫
・・・――露柴は涼しい顔をしながら、猪口を口へ持って行った。その猪口が空・・・ 芥川竜之介「魚河岸」
・・・目もまた涼しい黒瞳勝ちだった。心もち上を向いた鼻も、……しかしこん・・・ 芥川竜之介「お時儀」
・・・この時かの時、眉目の涼しい、額の青白い、夜のごとき喪服を着たデンマ・・・ 有島武郎「二つの道」