[名]
  1. 川などの渡る場所。渡し。「宇治の―」

  1. 離れた二つの場所に掛けて渡すもの。渡り板や渡り廊下など。

  1. 外国から渡来すること。また、そのもの。「オランダ―の鉄砲」

  1. 定住しないで渡り歩くこと。また、その人。「―の職人」

  1. 俗に、退職した官僚が退職後の勤め先を次々と移り歩くこと。高額の給料、退職金を取るので批判されている。「天下り官僚の―を禁止する」

  1. 両者が通じ合うように交渉すること。「資本参加についての―があった」

  1. 連続する音韻を発音する際、ある単音から次の単音へ移るための調音の態勢の動き。また、それによって生じる音。一つの単音について、前からの渡りを「入り渡り」、後ろへの渡りを「出渡り」という。

  1. 囲碁で、相手の石を挟んで両方の石が連絡すること。盤面の端で行われる。

  1. 動物、特に鳥が、環境の変化に応じて行う季節的な往復移動。食物の獲得・産卵などのために行う。

  1. 10 (「径」とも書く)さしわたし。直径。わたし。

    1. 「丁度―一尺位に見える橙黄色の日輪が」〈鴎外・妄想〉

  1. 11 活版印刷の組版で、ページ物を組み付けるとき、見開きの左側の版の左端から右側の版の右端までの寸法。

  1. 12 ある所へやって来ること。また、来訪すること。

    1. 「さてもただ今の御―こそ、情けもすぐれて深う」〈平家・七〉

  1. 13 川などを渡ること。

    1. 「淀の―といふものをせしかば」〈・一一四〉

[接尾]助数詞。物事がひととおりゆきわたる回数を数えるのに用いる。「ひと―注意して見回る」

出典:青空文庫