わたなべかいきょく【渡辺海旭】
[1872〜1933]浄土宗の僧。東京の生まれ。号、壺月。ドイツに留学し、サンスクリット・パーリ・チベット語を研究。帰国後、東洋・大正大学教授。高楠順次郎と「大正新修大蔵経」を監修。学界・教育界・社会事業など多方面に活躍。
わたなべかざん【渡辺崋山】
[1793〜1841]江戸後期の蘭学者・画家。名は定静 (さだやす) 。通称、登。別号、寓絵堂 (ぐうかいどう) 。三河田原藩の家老で、海防掛を兼ねた。佐藤一斎に儒学を、谷文晁 (たにぶんちょう) に南画を学び、のち西洋画の技法を取り入れて写実的画風を確立。特に肖像画にすぐれた。「慎機論」を著し、幕政を批判したため蛮社の獄に連座して自刃。
わたなべかずお【渡辺一夫】
[1901〜1975]仏文学者。東京の生まれ。東大教授。ラブレーを中心とするフランス16世紀文学の研究に業績をあげる一方、批評家としても活躍。著「ラブレー研究序説」「フランスユマニスムの成立」。
わたなべかてい【渡辺霞亭】
[1864〜1926]小説家。愛知の生まれ。本名、勝。別号、碧瑠璃園 (へきるりえん) ・黒法師。歴史小説・家庭小説で人気を博した。江戸文学の収集家としても知られる。作「大石内蔵之助」「渦巻」。
わたなべきえこ【渡辺喜恵子】
[1914〜1997]小説家。秋田の生まれ。本姓、木下。郷土に根ざした作風の歴史小説などを執筆。南部藩の御用商人の家族を描いた大河小説「馬淵川」で直木賞受賞。他に「啄木の妻」「原生花園」など。
わたなべじゅんいち【渡辺淳一】
[1933〜2014]小説家。北海道の生まれ。医学部出身という異色の経歴を生かし、医療現場を舞台にした問題作を数多く執筆して人気を得る。その後は濃密な性描写の恋愛小説を手がけ、ブームを起こす。「光と影」で直木賞受賞。他に「遠き落日」「うたかた」「失楽園」など。平成15年(2003)紫綬褒章受章。
わたなべじょうたろう【渡辺錠太郎】
[1874〜1936]軍人。陸軍大将。愛知の生まれ。軍事参議官・教育総監などを歴任。統制派の頭目として、二・二六事件で青年将校により射殺された。
わたなべすいは【渡辺水巴】
[1882〜1946]俳人。東京の生まれ。本名、義。内藤鳴雪・高浜虚子に学び、俳句雑誌「曲水」を創刊、主宰。句集「水巴句帖」「隈笹」「白日」。
わたなべのつな【渡辺綱】
[953〜1025]平安中期の武士。源頼光の四天王の一人。京の鬼同丸や大江山の酒呑童子 (しゅてんどうじ) 、羅生門の鬼を退治した伝説がある。
わたなべまさのすけ【渡辺政之輔】
[1899〜1928]労働運動家。千葉の生まれ。日本共産党結成と同時に入党。昭和2年(1927)コミンテルンの招集でモスクワに渡り、「二十七年テーゼ」作成に参加。帰国して翌年、党委員長。台湾で官憲と交戦して自殺。