・・・とか発言することができずに、「汝の意欲の準則が普遍的法則たり得るように行為せよ」とか、「汝の現在の態度について、汝自身に忠実であり得るように態度をとれ」とかいい得るのみである。すなわち人間のあらゆる積極的な意欲はことごとく、道徳の実質であっ・・・ 倉田百三 「学生と教養」
・・・思想と文章との一致、これが現代文章の唯一の準則である」それだから「今の文章はいにしえのような美辞麗句でなく」「作家の表現しようと考える対象の性質から規定されて来る。」ところで、この著者の理解によると現代の作家は「社会の人々が普通にはもってい・・・ 宮本百合子 「芸術が必要とする科学」
・・・この書もこの後の時代に広く読まれたようであるが、その内容は人としての教養の準則を説いたものである。自然美を十分に味わうべきこと、文芸を心の糧とすべきこと、その文芸も『万葉集』、『源氏物語』のごとき古典に親しむべきこと、連歌や歌の判のことなど・・・ 和辻哲郎 「埋もれた日本」
出典:青空文庫