・・・いかと想像されるのであるが、これについては別の機会に詳説することとして、ここではともかくそうしてできた五七また七五調が古来の日本語に何かしら特に適応するような楽律的性質を内蔵しているということをたとえ演繹することは困難でも、眼前の事実から帰・・・ 寺田寅彦 「俳句の精神」
・・・それには、この実験によって生じたいろいろの効果を正確に観察し、それを忠実に記録し、そうしてその結果を分析し帰納し、それから、もしできるなら、市民交通を支配する方則のようなものを抽出し、それから演繹される各種の命題を将来の市電経営法の改善に応・・・ 寺田寅彦 「破片」
・・・ これを一つの working hypothesis として見た時には、そこからいろいろな蓋然的な結果が演繹される。たとえば笑いやすい人と笑いにくい人などの区別が、力学の場合の「粘性」や「摩擦」に相当する生理的因子の存在を思わせる。粘液・・・ 寺田寅彦 「笑い」
出典:青空文庫