火危うし
昔、宮中などで、夜番の役人が見回りのときに発した言葉。「火の用心」の意。「あやしき男 (をのこ) どもの声して、—など言ふも」〈源・浮舟〉
火が付く
1 燃えはじめる。引火する。 2 ある事がもととなって、騒ぎ・事件などがもちあがる。「怒りに—・く」「紛争に—・く」 3 影響が身に及んでほうっておけない状態になる。「足もとに—・く」 4 勢いが出る。また、感情や情熱が高まる。「打線に—・く」「闘志に—・く」
火が降る
非常に貧乏であるさまのたとえ。「内証は提灯程な—・って」〈浮・一代男・三〉
火に油を注ぐ
勢いの盛んなものにさらに勢いを加えるようなことをするたとえ。薪 (たきぎ) に油を添える。「あまり問題をつつくと—・ぐ結果になる」
火に入る虫
「飛んで火に入る夏の虫」の略。「笛に寄る鹿—」〈浄・釈迦如来〉
火の消えたよう
活気を失って寂しくなるさま。「子供たちがいないので家の中は—だ」
火の付いたよう
1 あわただしいさま。性急なさま。「—な騒ぎ」 2 大声で泣き叫ぶさま。「赤ん坊が—に泣き出す」
火の出るよう
1 怒りや恥ずかしさで顔をひどく赤らめるさま。火のよう。「顔から—な思いをした」 2 激しい勢いで行われるさま。「—な論戦」
火の無い所に煙は立たぬ
まったく根拠がなければうわさは立たない。うわさが立つからには、なんらかの根拠があるはずだということ。
火の中水の底
ひどい苦しみや困難な境遇に身を置くたとえ。火の中水の中。