こうじょうせん【甲状腺】
喉頭 (こうとう) の下方、気管の前方にある蝶 (ちょう) 形の内分泌腺。甲状腺ホルモンを分泌して物質代謝を促し、身体の成熟を促進させる。
こうじょうせんきのうこうしんしょう【甲状腺機能亢進症】
甲状腺の機能が異常に亢進した状態。血中の甲状腺ホルモンが過剰となり、それによる症状が現れる。バセドー病はその代表。甲状腺ホルモン過剰症。
こうじょうせんきのうていかしょう【甲状腺機能低下症】
甲状腺の機能が低下した状態。血中の甲状腺ホルモンが減少し、それによる症状が現れる。乳幼児期のクレチン病、大人では粘液水腫となる。甲状腺ホルモン過少症。
こうじょうせんしげきホルモン【甲状腺刺激ホルモン】
脳下垂体の前葉から分泌されるホルモン。甲状腺ホルモンの生成・分泌を促す。サイロトロピン。チロトロピン。TSH(thyroid-stimulating hormone)。
こうじょうせんしゅ【甲状腺腫】
甲状腺にはれが生じている状態。
こうじょうせんホルモン【甲状腺ホルモン】
甲状腺で生成・分泌されるホルモン。沃素 (ようそ) を多く含む。甲状腺から分泌されるホルモンには物質代謝を促す作用をするチロキシン・トリヨードチロニンや、血液中のカルシウム濃度を低下させるカルシトニンがある。
こうじょうなんこつ【甲状軟骨】
喉頭 (こうとう) にある最大の軟骨。喉頭全体を鎧 (よろい) 状に保護している。頸部 (けいぶ) 前面中央の隆起したところはのどぼとけと呼ばれ、男子では特に発達が顕著である。
こうじょうせんがん【甲状腺癌】
甲状腺に癌腫が形成される病気。分化癌(乳頭癌・濾胞癌)・髄様癌・未分化癌・悪性リンパ腫などの種類があり、病態や悪性度が異なる。約80パーセントを占める乳頭癌や10〜15パーセントを占める濾胞癌の場合、適切な治療を受ければ予後は良好であることが多い。 [補説]原子力事故などで、核分裂に伴って放出される放射性ヨウ素を体内に大量に取り込むと、甲状腺に集積し、甲状腺癌を発症する可能性が高くなる。この場合、悪性度の低い甲状腺乳頭癌であることが多い。
こうじょうせんひばく【甲状腺被曝】
体内に取り込まれた放射性ヨウ素が甲状腺に蓄積して、甲状腺が放射線にさらされること。内部被曝の一種。甲状腺がんの原因となる。
こうじょうせんシンチ【甲状腺シンチ】
⇒甲状腺シンチグラフィー