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・・・虹吉が満足したのは、彼の本能的な実弾射撃が、てき面に、一番手ッ取り早く、功を奏したからである。 朝五時から、十二時まで、四人の親子は、無神経な動物のように野良で働きつゞけた。働くということ以外には、何も考えなかった。精米所の汽笛で、やっ・・・
黒島伝治
「浮動する地価」
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・・・毎日真剣勝負をするような気になって、良い物、悪い物、二番手、三番手、いずれ結構上じょうじょうの物は少い世の中に、一ト眼見損えば痛手を負わねばならぬ瀬に立って、いろいろさまざまあらゆる骨董相応の値ぶみを間違わず付けて、そして何がしかの口銭を得・・・
幸田露伴
「骨董」