・・・或る人々の疲弊に対し、実にひとごとでなく感じ、考え、状態をよりよくする為につとめても、あのおのの心がけは、出来るだけすこやかに、たしかに、しかして、深い人生のよろこびの源となろうとするのが、真の道ではないかと思います。〔一九二二年十月〕・・・ 宮本百合子 「男…は疲れている」
・・・ 三位一体は大資本、法王、軍閥で、祝福の代りに大衆の疲弊と流血があるだけだ。 一九三〇年、革命劇場上演の「第一騎兵隊」は、一九一七年――一九二〇年の国内戦の歴史、第一騎兵隊の功績を芸術化するばかりではない。帝政時代のロシア兵営内の生・・・ 宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」
・・・ 憤るには、彼等はあまり疲弊していた。 海老屋から使がその趣を伝えて来たときでも、彼等夫婦はまるで他人のことのように、ぼんやりした、平気な顔をして聞いていた。 何だかもう、頭の中が真暗になって、感じも何も皆どこへか行ってしまった・・・ 宮本百合子 「禰宜様宮田」
・・・が藤原末期になるにつれて荘園の管理者が収穫をごまかしたり、農民の疲弊が甚しくなったりして財源は不確定になって来た。男子の任官というものも、全く藤原氏の権力者のお手盛りであったから、下級官吏達の生涯は、始めから終りまで不安定で、一旦藤原氏の機・・・ 宮本百合子 「私たちの建設」
出典:青空文庫