びょうにゅうこうこう【病入膏肓】
病が進行し、回復する見込みがなくなること。不治の病にかかること。また、趣味や道楽などに病的なまでに熱中したり、悪癖や悪弊などが高じて手がつけられなくなるたとえ。
- 注記
- 「膏」は、心臓の下の部分。「肓」は、横隔膜の上のあたりの隠れた部分。身体の一番奥にあり、最も治療しにくい場所。「病やまい膏肓こうこうに入いる」と読み下す。「肓」を「もう」と読み誤らない。
- 表記
- 「肓」を「盲」と書きちがえない。
- 故事
- 中国春秋時代、重病で臥ふせている晋しんの景公けいこうの夢の中に、名医の来ることを知った病魔が、二人の子どもの姿となって現れ、名医も手の届かない「膏」の下、「肓」の上の部分に隠れたという。
- 出典
- 『春秋左氏伝しゅんじゅうさしでん』成公せいこう一〇年
- 類語
- 膏肓之疾こうこうのしつ