7月15日を中心に祖先の冥福 (めいふく) を祈る仏事。江戸時代からは13日から16日にかけて行われ、ふつう、迎え火をたいて死者の霊を迎え、精霊棚 (しょうりょうだな) を作って供物をそなえ、僧による棚経 (たなぎょう) をあげ、墓参りなどをし、送り火をたいて、霊を送る。現在は、地方により陰暦で行う所と、一月遅れの8月15日前後に行う所とがある。精霊会 (しょうりょうえ) 。盆。お盆。盂蘭盆会 (うらぼんえ) 。魂祭 (たままつ) り。うらんぼん。《季 秋》
出典:青空文庫
・・・時は盂蘭盆にかかって、下町では草市が立っていよう。もののあわれどこ・・・ 泉鏡花「木の子説法」
・・・冬は人もこそ訪わね、盂蘭盆にはさすがに詣で来る縁者もあるを、いやが・・・ 泉鏡花「清心庵」
・・・分けて、盂蘭盆のその月は、墓詣の田舎道、寺つづきの草垣に、線香を片・・・ 泉鏡花「二、三羽――十二、三羽」