・・・ 五ヵ年計画がはじまってからの彼等の活動は目覚ましいものがある。一九二九年の秋から三〇年の種蒔時にかけて敢行された富農撲滅、農村の「十月」が、ソヴェトの社会主義社会建設史の頁に輝く時、その陰にかくれた農村通信員の革命的功績は決して只忘ら・・・ 宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」
・・・ile at you, And taste sweet. Life is good, by the Lord.” そして村に流行した疫病で、妻には死なれ、愛する孫娘は瀕死に陥っても尚彼は、その熾な目覚ましい生活力のままに生を肯定し希望を・・・ 宮本百合子 「最近悦ばれているものから」
・・・ これは、ソヴェトにおけるプロレタリア芸術の発展に向っての目覚ましい一飛躍である。 コムソモールカのタマーラが思案にあまったようにして椅子にかけ、コムソモーレツのミーチャに訊いている。 ――ねえミーチャ、コムソモールカは子供・・・ 宮本百合子 「三月八日は女の日だ」
・・・を書き終ったところであったジイドは、この宗教的格闘では目覚ましい粘着力を示した。坊主とクロオデルとが彼を妥協へ脅迫する原因となっている自身の性的経験を自ら公然と語ることによって、彼等を沈黙させた。「コリドン」と「一粒の麦若し死なずば」とは、・・・ 宮本百合子 「ジイドとそのソヴェト旅行記」
・・・ソヴェトのプロレタリアートは目覚ましい勢で自己批判を始めた。一九二九年から禁酒運動の盛になったこと、文部省はアルコール中毒患者専門の療養所を開いた。キノで酒の体に及ぼす害、子孫に害を及ぼす恐ろしさ、酒が敵で心にもない反革命的行為に誘惑される・・・ 宮本百合子 「正月とソヴェト勤労婦人」
・・・ 何か一つの転機が、彼女の上に新らしい刺戟と感動とを齎しさえすれば、一旦は霜枯れたそれ等の華も、目覚ましい色をもって咲き満ちる可能性が、一つ一つの細胞の奥に巣籠っていたのである。 そして、この非常に要求されていた一転機として、彼女の・・・ 宮本百合子 「地は饒なり」
・・・この町はこの頃になって急に目覚ましい活動をはじめた町で、金銭の活動はにわかに、せわしくなって来ても依然として、それ等金銭をあつかうものの頭は、金銭につかわれる方なので、驚くほど物質的な、金にきたない町になって来た。 そのためこの四五年と・・・ 宮本百合子 「農村」
・・・第二の若僧 ほんとうにあの時は今までになく目覚ましい事だった。老僧は窓の処から外を見て動かない。第一の若僧 七日七夜、寒さと饑に眼ばかり変に光る王が尚威厳を保とうとしたあやうい足許でお師様の前に立った時―― ほら知っ・・・ 宮本百合子 「胚胎(二幕四場)」
・・・婦人作家たちは、その中に全力的に生きることによって、目覚ましい作家活動を開始したのだ。 ソヴェト同盟の新社会の焔は、経験のある男の作家たちに言葉で云えない程の若返りをさせた。同時に大衆の中から多くの新しいプロレタリア作家を立ち上らせた。・・・ 宮本百合子 「プロレタリア婦人作家と文化活動の問題」
・・・それと同じに、女性は男性の正しいよい影響を受けると、彼女の生命の一番目覚ましい発育を遂げるのです。私共は、それ故、異性の間に生れる特殊な雰囲気は、人生に大切な一種の創造的元素とし、真面目に純粋にそれを扱い、常にその内容と環境とをよりよく仕よ・・・ 宮本百合子 「惨めな無我夢中」
出典:青空文庫