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・・・大きな仕事でなくても、もっと小さな科学者の小さなアルバイトについても、たとえば一人の教授がその弟子の労力の結果を利用して一つの小さな系統化を行ない、一つの小さな結論をまとめた場合に、その弟子が「自分の粉骨砕身の努力の結果を先生がそっくりさら・・・
寺田寅彦
「空想日録」
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・・・例の放蕩息子を迎えた父のように、いかなる愚人、いかなる罪人に対しても弥陀はただ汝のために我は粉骨砕身せりといって、これを迎えられるのが真宗の本旨である。『歎異抄』の中に上人が「弥陀の五劫思惟の願をよくよく案ずればひとへに親鸞一人がためなりけ・・・
西田幾多郎
「愚禿親鸞」