《「えん(縁)」の「ん」を「に」で表記したもの》えん。ゆかり。ちなみ。和歌では「江に」に掛けて用いることが多い。

「みをつくし恋ふるしるしにここまでもめぐり逢ひける―は深しな」〈・澪標〉

《「えに(縁)」+強意の副助詞「」から》えん。ゆかり。多く男女間についていう。

「われら二人、なんという薄い―であろう」〈藤村・春〉

  1. (梵)pratyayaの訳》仏語。結果を生じる直接的な原因に対して、間接的な原因。原因を助成して結果を生じさせる条件や事情。「前世からの縁」

  1. そのようになるめぐりあわせ。「一緒に仕事をするのも、何かの縁だろう」

  1. 関係を作るきっかけ。「同宿したのが縁で友人になる」

  1. 血縁的、家族的なつながり。親子・夫婦などの関係。「兄弟の縁を切る」

  1. 人と人とのかかわりあい。また、物事とのかかわりあい。関係。「金の切れ目が縁の切れ目」「遊びとは縁のない生活」

  1. (「椽」とも書く)和風住宅で、座敷の外部に面した側に設ける板敷きの部分。雨戸・ガラス戸などの内側に設けるものを縁側、外側に設けるものを濡れ縁ということが多い。

  1. 物の端の部分。また、物の周りの、ある幅をもった部分。へり。「がけの縁」「縁が欠ける」「帽子の縁」

  1. 刀の柄口 (つかぐち) の金具。

[用法]ふち・[用法]へり――「机のふち(へり)に手をつく」「茶碗のふち(へり)」「崖のふち(へり)」のように、物のまわりやまぎわの部分の意では、相通じて用いられる。◇「ふち」には「目のふちを赤くする」とか、「眼鏡のふち」「額 (がく) ぶち」のような、回りの枠をいう使い方もあり、この場合は「へり」は用いない。◇「へり」は、「船べり」「川べり」のように平らなものの周辺部をいうことが多く、さらに周辺部につける飾り物などの意まで広がる。「リボンでへりをつける」「畳のへりがすり切れる」
  1. 池・穴などに接したすぐそば。そのものに入るすぐ手前をさす。「崖 (がけ) の縁に立つ」「川縁の道」

  1. もののはし。ふち。「机の縁で肘 (ひじ) をうつ」「船縁」

  1. 2につけた飾り。特に、畳の長いほうの両端をつつんだ布。

    1. ふち(縁)[用法]

  1. なんらかのかかわりあいやつながりのあること。因縁。「縁 (えん) も―もない」「文豪―の地」「―の者を頼って上京する」

  1. 血縁関係のある者。親族。縁者。

    1. 「おのが―、西東合はせて六百人ばかり」〈宇津保・藤原の君〉

  1. 《「ゆかりじそ」の略》梅干と一緒に漬け込んだ紫蘇 (しそ) の葉を乾燥させて粉にしたもの。飯にふりかけたりする。

《「寄す処 (か) 」の意。古くは「よすか」》

  1. 身や心のよりどころとすること。頼りとすること。また、身寄り。血縁者。よるべ。「知人を―に上京する」「身を寄せる―もない」

  1. 手がかり。手だて。方法。「今ではもう昔を知る―はない」