・・・これらのその道の人達は自分たちの職域を通じて農林省、農会、営団を貫くからくりに通暁しているからこそ、公正な人民管理を主張しているのである。 解毒剤 あらゆる面で、生活の正常な機能を破壊された七千万の日本人民が、・・・ 宮本百合子 「女の手帖」
・・・「最近は、私自身の関するせまい職域の限りでも、いわゆるレッド・マークとか、学問の自由というような新しい問題まで発生してきている。」「学問の自由を剥奪することがいかに危険なことであるかは、先年来すでに苦しい経験ずみであるにもかかわらず、今日ま・・・ 宮本百合子 「五〇年代の文学とそこにある問題」
・・・人民別、専門別、職域別、都会対地方とセクト的な感情を利用されて孤立させられる危険を克服するために。「労働者階級の意識は、たとえそれが如何なる階級に関係したことであろうとも、恣意と圧制、暴力と濫用が行われたときは、いついかなる場合にも黙過・・・ 宮本百合子 「その柵は必要か」
・・・そのために、今日外国を見て来るほんの少数の人は、何とはなし特別なもの知りのように思われ、それぞれの職域で一種の権威者のようになりがちである。しかもその職域は、まだ根本から、民主化されきっていず、官僚的だったり、半封建的だったりするため、そし・・・ 宮本百合子 「それらの国々でも」
・・・徴用がどしどし行われるようになって、男子の就業禁止の職域範囲が拡がった。企業整備によって自分の店や勤め先を失った男達は、みんな徴用されるということになった。昭和十九年からは学徒動員が行われ、この年には四百五十万人という勤労動員がされたのであ・・・ 宮本百合子 「私たちの建設」
出典:青空文庫