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・・・壁の隙間や床下から寒い夜風が吹きこむので二人は手足も縮められるだけ縮めているが、それでも磯の背部は半分外に露出ていた。 中 十二月に入ると急に寒気が増して霜柱は立つ、氷は張る、東京の郊外は突然に冬の特色を発揮し・・・
国木田独歩
「竹の木戸」
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・・・ぐったりとなった憐れな赤犬は熟睡した小児が母の手に衣物を脱がされるように四つの足からそうして背部へと皮がむかれた。致命の打撲傷を受けた頸のあたりはもう黒く血が凝って居た。裸にされた犬は白い歯を食いしばって目がぎろぎろとして居た。毛皮は尾から・・・
長塚節
「太十と其犬」