・・・と表現した。自党から立った婦人代議士に対して、これら保守の党は、どんな責任と義務とを感じているのだろうか。今のところ、まるでその実在性を念頭においてさえもいないように見える。保守の党が中央部、又は執行機関に婦人代議士を一人も包括しようとして・・・ 宮本百合子 「一票の教訓」
・・・ 政党が、公のものであるならば、自党の得票という私的目的のために、日本人民のおくれた層、封建の陰ふかい地べたから一票でも多くかき集めようと、わざと封建の暗さにおもねることがどんなに誤ったことか、売国的な行為であるかを人民は、明白に知らな・・・ 宮本百合子 「逆立ちの公・私」
・・・ゴジ政党が、所謂政治的な政略上、私たちのおくれた感情を足場として、自党の政権欲の満足のため、不具な憲法改正草案によって反動性を正当化されながら、再びこの私たちを虐げようとするならば、いかにお人好しの私たちでも、それが天皇制の功徳であると、跪・・・ 宮本百合子 「矛盾とその害毒」
・・・原敬の眼中にはただ自党の利益のみがあって国家がない。ところで彼の政党は私利をのみ目ざす人間の集団であって、自党の利益とは結局党員各自の私利である。彼らはこの集団の力によって政権を握り、その権力によって各自の私利をはかろうとする。しかし政治は・・・ 和辻哲郎 「蝸牛の角」
出典:青空文庫