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致す（いたす） とは？ 意味・読み方・使い方

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いた・す【致す】
の解説

［動サ五（四）］《「いたる」に対して「いたらせる」の意。敬語として用いられるのは中世以降》

  1. １ 届くようにする。至らせる。「遠い祖国に思いを—・す」

  1. ２ そのことがもとで、ある結果、特によくない結果を引き起こす。ある状態に立ち至らせる。「私の不明の—・すところ」

  1. ３ 全力で事を行う。心を尽くす。

    1. 「遠く京師を離れていたので、玄機がために力を—・すことができなかった」〈鴎外・魚玄機〉

  1. ４

    1. ㋐「する」の謙譲語。自己側の動作を低めて言ったり、改まった気持ちで言ったりすることで聞き手に対する敬意を表す。多く「いたします」の形で用いる。「努力を—・す所存です」「御指示どおりに—・します」「私から話を—・します」

    2. ㋑「する」の丁寧語。多く「いたします」の形で用いる。「いい香りが—・します」「あと数分—・しますと重大発表が行われます」

      「勢の良い扇の音が、はたはたと—・しますと」〈芥川・邪宗門〉

    3. ㋒「する」の尊大な言い方。話し手が相手の行為について、自分を高い位置に置いて言う。「何を—・しておる。早く—・せ」「無用の殺生を—・すでないぞ」

  1. ５ 命を差し出す。身をささげる。

    1. 「危ふきを見て命を—・す処、兼ねて思ひ定め候ひけるかに依りて」〈太平記・二六〉

  1. ６ （補助動詞）動詞の連用形やこれに「お」を付けた形、または、漢語サ変動詞の語幹やこれに「御 (ご) 」を付けた形などに付く。

    1. ㋐補助動詞「する」の謙譲語・丁寧語。多く「いたします」の形で用いる。「お静かにお願い—・します」「御一緒—・しましょう」

    2. ㋑補助動詞「する」の尊大な言い方。「即刻、返答—・せ」

[補説]平安時代は、主として漢文訓読に用いられた。
下接句

出典：デジタル大辞泉（小学館）

致す の例文(24)

出典：青空文庫

  • ･･･と、ほとんど完全に一致するような形式で成就した。彼は、事業を完成･･･ 芥川竜之介「或日の大石内蔵助」

  • ･･･、――あなたのお供を致すのでございます。」　孫七は長い間黙ってい･･･ 芥川竜之介「おぎん」

  • ･･･「そんな気は誰でも致すものでございますよ。爺やなどはいつぞや御庭･･･ 芥川竜之介「影」

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