らっかていちょう【落花啼鳥】
自然の趣や詩情。花は散り、鳥は山中で鳴いているという、晩春の寂しげな自然の風景のこと。
- 注記
- 「落花」は、花が散ること。「啼鳥」は、鳥の鳴き声。出典の「春眠しゅんみん暁あかつきを覚おぼえず、処処しょしょ啼鳥ていちょうを聞きく、夜来やらい風雨ふううの声こえ、花はな落おつること知しる多少たしょう」による。
- 出典
- 孟浩然もうこうねん「春暁しゅんぎょう」
- 用例
- 落花啼鳥の情けも心に浮ばぬ。蕭々として独り春山を行く吾の、いかに美しきかはなおさらに解せぬ。初めは帽を傾けて歩行た。後にはただ足の甲のみを見詰めてあるいた。〈夏目漱石・草枕〉