薪樵る
薪の行道 (ぎょうどう) をする。「—・る讃歎 (さんだん) の声も」〈源・御法〉
薪尽く
1 《「法華経」序品の「仏この夜滅度し給ふこと、薪尽きて火の滅するがごとし」の句から》釈迦 (しゃか) が入滅する。「二月の中の五日は、鶴の林に—・きにし日なれば」〈増鏡・序〉 2 命が尽きる。死ぬ。「惜しからぬこの身ながらもかぎりとて—・きなむことの悲しさ」〈源・御法〉
薪に油を添える
⇒火に油を注ぐ
薪に花
粗野ではあっても、やさしい風情があることのたとえ。
薪を抱きて火を救う
《「戦国策」魏策から》薪を抱いて、火を消そうと火元に近づく。害を除こうとして、かえって害を大きくすることのたとえ。
たきぎこる【薪樵る】
[枕]薪を切る鎌 (かま) の意から、「鎌倉」にかかる。「—鎌倉山の木垂 (こだ) る木をまつと汝 (な) が言はば恋ひつつやあらむ」〈万・三四三三〉
たきぎのいっきゅうじ【薪の一休寺】
酬恩庵 (しゅうおんあん) の異称。
たきぎのう【薪能】
1 奈良興福寺の修二会 (しゅにえ) の際、大和猿楽四座によって夜ごと薪をたいて演じられた神事能。幕末で廃絶したが、近年復興し、5月11日・12日に行われる。《季 夏》 2 夕方から夜にかけ、野外で薪をたいて行われる能。1をまねて戦後興ったもので、多くの社寺で行われる。 [補説]書名別項。→薪能
たきぎのぎょうどう【薪の行道】
法華八講の第3日に、行基作といわれる「法華経をわが得しことは薪こり菜つみ水汲 (く) み仕へてぞ得し」の歌を唱えながら、薪を背負い、水桶をになった者を列に加えて、僧たちが行う行道。歌は提婆達多品 (だいばだったぼん) 中に、仏が法華経を得るため「水を汲み、薪を拾い、食 (じき) を設け」て、阿私仙に従ったとあるのに基づく。