衣服にたきしめるための薫物 (たきもの) 。沈香 (じんこう) ・白檀 (びゃくだん) ・丁字香 (ちょうじこう) ・麝香 (じゃこう) などを練り合わせたもの。くぬえこう。くえんこう。《季 夏》「松風にさめて行くなり—/紅緑」
出典:青空文庫
・・・、応対話談の興味や、薫香の趣味声音の趣味相俟って、品格ある娯楽の・・・ 伊藤左千夫「茶の湯の手帳」
・・・方にはほのかに満開の薫香をちらすナーシサス耳ざわりな人声は途絶え・・・ 宮本百合子「海辺小曲(一九二三年二月――)」
・・・白梅が真盛りで部屋へ薫香が漲っていたのをよく覚えている。何にしろ・・・ 宮本百合子「宝に食われる」