しょっけんはいじつ【蜀犬吠日】
無知な人は、当たり前の事柄にも、怪しんで恐れること。また、見識もなく劣った者が、他人の言動をむやみに批判すること。
- 注記
- 「蜀犬しょっけん、日ひに吠ほゆ」と読み下す。
- 故事
- 中国の蜀しょく(現在の四川省)の地域は、山地で霧が深く、普段から曇りがちで薄暗いところであり、そこの犬は、たまに太陽が出て日が射すのを見ると、怪しんで吠えたという。
- 出典
- 柳宗元りゅうそうげん「答韋中立論師道書いちゅうりつにこたえしどうをろんずるのしょ」
- 用例
- 蜀犬日に吠え、呉牛月に喘あえぐと云うから、わしの様な田舎者は、却かえって困るかも知れんてのう。〈夏目漱石・草枕〉