けっかんけい【血管系】
脊椎動物で、心臓から拍出される血液が循環する通路となる管系。リンパ管系と合わせて循環系を構成する。無脊椎動物では血液・リンパの区別がなく、循環系と同義。動物の種類により開放血管系と閉鎖血管系とがある。
けっかんしゅ【血管腫】
血管組織からできる良性腫瘍 (しゅよう) 。普通は毛細血管の集合したもの。赤あざ。
けっかんねんれい【血管年齢】
弾力を目安に、血管の状態を年齢で表したもの。脳卒中・心臓病にかかる可能性や老化の度合いなどを知る尺度となる。血管の硬化は加齢に伴って起こるが、これ以外に食生活の偏りや運動不足が原因で血管内にコレステロールがたまり、血流が悪くなることでも起こる。→動脈硬化症
けっかんないちりょう【血管内治療】
カテーテル・バルーン・ステントなどの器具を血管内に挿入して行う治療。抗癌剤 (こうがんざい) を局所に注入する、血栓を溶解させる、狭窄 (きょうさく) ・閉塞した血管を拡張させて血流を改善する、血管を塞栓して止血するなど、さまざまな治療法がある。経皮的冠動脈形成術(PTCA)など。カテーテル治療。
けっかんかくちょうせいにくがしゅ【血管拡張性肉芽腫】
《医学では肉芽腫は「にくげしゅ」という》毛細血管の増殖によって生じる良性の腫瘍。直径数ミリから1センチの赤く柔らかなしこりで、触れると出血しやすい。小さな傷が原因となって発症し、顔面・手指などに好発する。妊娠時に発生することもある。化膿性肉芽腫。
けっかんないひぞうしょくいんし【血管内皮増殖因子】
⇒ブイ‐イー‐ジー‐エフ(VEGF)
けっかんしんけいせいふしゅ【血管神経性浮腫】
⇒血管性浮腫
けっかんせいふしゅ【血管性浮腫】
皮膚や粘膜の限られた範囲にできる浮腫。唇やまぶたに好発し、必ずしもかゆみはなく、数日以内に消える。1882年にドイツの内科医クインケ(H.I.Quincke)が報告したことから、クインケ浮腫とも。血管神経性浮腫。→遺伝性血管性浮腫
けっかんないひさいぼう【血管内皮細胞】
血管の内側を覆う細胞。血小板の粘着・凝集の抑制、血管の収縮・拡張を調整する物質の放出など、血管を保護するさまざまな機能を担っている。
けっかんしんせい【血管新生】
組織の維持や増殖に必要な酸素や栄養を得るために、既存の血管から新しい血管がつくられること。 [補説]血管新生は、胎児の成長、創傷の治癒、黄体や胎盤の形成過程などで正常な生理現象として起こる。さらに、動脈硬化・関節リウマチ・糖尿病網膜症などの疾患や固形癌が増殖・転移する際には異常な血管新生が起こる。