・・・学的作品が、若し男性の手に成ったそれに比して常に第二流の芸術的価値ほか持ち得ないものとしたら、それはつまり女性が、人及び芸術家として、充分の創造をなし能う丈の人格も、生活をも持っていないと云う、一部の証言に成るのではないだろうか。而も、自分・・・ 宮本百合子 「概念と心其もの」
・・・ところが比叡子が、殺人を犯させたのは自分であるなどと証言するのは、やはり左翼的な、合理的な、考え方に慣らされているのから出て来た解釈です。左翼の人は、日本とソビエットとを問わず、この合理的解釈を持っていますから、時とすると、真相を理解するこ・・・ 宮本百合子 「作家のみた科学者の文学的活動」
・・・それは、検事の理解に一致しないすべての証言は、偽証であって、偽瞞であるとこのような独断的、専断的言辞に対して私は心からの憤まんをもっています。」つづいて金被告ものべた。「偽証罪に対する起訴取消を行っていただきたい。」「検事がこのようにすべて・・・ 宮本百合子 「それに偽りがないならば」
・・・或は林氏のように座談会へ袴を穿いて出席することによって自分が文学をするサムライであることを証言しないからであろうか。または、芭蕉の芸術家としての生きかたは、当時の時代的環境によって、鬱屈的であり、浪々的、捨て身すぎて、今日の作家生活の実際に・・・ 宮本百合子 「文学における今日の日本的なるもの」
出典:青空文庫