・・・それらの試作映画を文部省かどこかで検定し、優秀なものは全国に配布することも出来るであろう。これは夢のような話ではあるが、しかし実現の可能性のない夢とは思われない。 いわゆる思想善導の問題でも、あらゆる方法の中で最も有効有力なものは、適当・・・ 寺田寅彦 「教育映画について」
『新日本文学』に「町工場」という小説を発表した小沢清という若いひとが、「軍服」という小説をかいた。小沢清は勤労者の生活をしながら小説をかくようになった青年である。 まだ試作というべき作品であるが、「町工場」は、へんに凄ん・・・ 宮本百合子 「小説と現実」
・・・ 麦を煮る、わらを切る、草をかう○前の田を寺からかりて試作する。肥料の。「あの肥料をつかってこないよう出来たと見せようちゅうところの」 苅ったところで達治とキャッチボール○多賀さんの山 が右手 寺の山 左手 むこう・・・ 宮本百合子 「Sketches for details Shima」
・・・ 第四号に作家論を書いている三人の新しい評論家たちは、もとより自分の書きたいと思う作家を自由に研究題目としているのですが、注目されることは、このつつましい試作三つともが、作家論というものはどういう方法によるのが最もその作家の真実に肉迫し・・・ 宮本百合子 「一九四六年の文壇」
出典:青空文庫