かたりあい【語り間】
能の間 (あい) 狂言の一。中入りの間に、狂言方がワキの質問に対して故事来歴などを語るもの。また、その役。居語りと立ち語りがある。
かたりく【語り句】
1 平曲で、節をつけずに素声 (しらごえ) で語る部分。⇔引き句。 2 語りぐさ。「さあ、末代までの—に」〈浄・用明天王〉
かたりぐさ【語り種】
いつまでも人の口に上るような話題。話のたね。かたらいぐさ。「のちのちまでの—になる」
かたりくち【語り口】
1 語るときの口調。「淡々とした—」 2 落語や浄瑠璃などを語るときの調子や態度。「先代そっくりの—」
かたりごと【語り言】
正しく語り伝える言葉。伝承する言葉。「若草の妻の命 (みこと) 事の—もこをば」〈記・上・歌謡〉
かたりて【語り手】
1 語る人。話し手。 2 映画・演劇・放送などで、筋の運びや場面の説明などを話す人。ナレーター。 3 浄瑠璃・浪曲などの、語り物を語る人。
かたりべ【語部】
1 古代、古伝承を語り伝え、公式の場で奏した部。平安時代には践祚 (せんそ) 大嘗祭 (だいじょうさい) のとき、美濃・丹波・丹後・但馬 (たじま) ・因幡 (いなば) ・出雲・淡路の7か国から召されて古詞を奏した。かたらいべ。 2 ある物事を後の代に語り伝える人。「戦争の—」
かたりもの【語り物】
日本の声楽曲の一系統で、筋のある物語を節をつけて語るもの。また、その詞章。平曲・幸若 (こうわか) 舞曲・説経節・祭文 (さいもん) ・浄瑠璃・薩摩 (さつま) 琵琶・筑前琵琶・浪花節など。→歌い物