・・・二週間もいってきなされば、おまえさんのその体は、生まれ変わったようにじょうぶになることは請け合いです。」「それはほんとうですか?」と、少年は、生まれ変わったようにじょうぶになると聞いて、驚きと喜びとに飛び立つように思いました。「ああ・・・ 小川未明 「石をのせた車」
・・・』『ほんとにね』とお絹は口の中、叔母は大きな声で『大丈夫、それにあの人は大酒を飲むの何のと乱暴はしないし』と受け合い、鬢の乱を、うるさそうにかきあげしその櫛は吉次の置土産、あの朝お絹お常の手に入りたるを、お常は神のお授けと喜び上等ゆ・・・ 国木田独歩 「置土産」
・・・この火事を呆然として見ていれば全市は数時間で火の海になる事は請け合いである。その際もしも全市民が協力して一生懸命に消火にかかったらどうなるか。市民二百万としてその五分の一だけが消火作業になんらかの方法で手を貸しうると仮定すると、四十万人の手・・・ 寺田寅彦 「からすうりの花と蛾」
・・・この火事を呆然として見ていれば全市は数時間で火の海になる事は請合いである。その際もしも全市民が協力して一生懸命に消火にかかったらどうなるか。市民二百万としてその五分の一だけが消火作業に何らかの方法で手を借し得ると仮定すると、四十万人の手で五・・・ 寺田寅彦 「烏瓜の花と蛾」
・・・何でもよろしゅう御座いますから明朝四谷へ行って御覧遊ばせ、きっと何か御座いますよ、婆やが受合いますから」「きっと何かあっちゃ厭だな。どうか工夫はあるまいか」「それだから早く御越し遊ばせと申し上げるのに、あなたが余り剛情を御張り遊ばす・・・ 夏目漱石 「琴のそら音」
・・・という端物の書き出しには、パリーのある雑誌に寄稿の安受け合いをしたため、ドイツのさる避暑地へ下りて、そこの宿屋の机かなにかの上で、しきりに構想に悩みながら、なにか種はないかというふうに、机のひきだしをいちいちあけてみると、最終の底から思いが・・・ 夏目漱石 「手紙」
出典:青空文庫