・・・仕事は九百貫目、九百貫目掛ける十、答九千貫目。「九千貫だよ。おい。みんな。」「団長さん。さあこれから晩までに四千五百貫目、石をひっぱって下さい。」「さあ王様の命令です。引っぱって下さい。」 今度は、とのさまがえるは、だんだん・・・ 宮沢賢治 「カイロ団長」
・・・少しまかせて頼ってみたらば、忽ち東京では甘藷一貫目が五円五十銭となってしまった。 自分たちでやっている以上、そういう人々が相談して、最も合理的な方法、村と都会との間の生活必需品の交換として、農村生産物と工業生産物との交流を、組織的に円滑・・・ 宮本百合子 「現実に立って」
・・・が、最後には僅か九貫目の体重になって死んだ。戸坂潤は、栄養失調から全身疥癬に苦しめられて命をおとした。ひろ子は、これらの話をきいたとき泣いた。重吉と自分とに与えられた愉悦に対して謙遜になった。これらの人々はどんなに生きたかったであろうか、と・・・ 宮本百合子 「風知草」
出典:青空文庫