-
・・・と先生が感服致します。賀川豊彦でなくても死線が現われました。 あなたがひどくお悪かったあと、髪がうすく軽くなって、向い会っていると頭の地がすけてみえて本当に吃驚したことがありました。絞りの着物を着て、やっと歩いて出ていらしてお腹を落して・・・
宮本百合子
「獄中への手紙」
-
・・・ 船客の中には賀川豊彦氏も交っていて、この宗教家はアメリカなどでは大した信頼をつながれている人だそうだが、恐らくその小説の中で同様の事件があったのなら、何かの形で正義と人間愛の演説をされる機会を持たれただろうが、現実に自分の足の下の暑苦・・・
宮本百合子
「龍田丸の中毒事件」