・・・自我が喪失されるとともに純文学は創作の内面的対象としての読者大衆ではなく、外面的な転身の足がかりとして読者を意識し、大衆生活を描くに不可欠な創作方法の探求はぬきに、作者の主観で、自己の作品の購読者としての読者を意識した。そのことで、具体的な・・・ 宮本百合子 「文学精神と批判精神」
・・・先ず、各国の文化、批評を活溌に交換するために必要な雑誌や書籍類の自由な国際的購読が今日では一般人にとって困難になって来ている。一般生活に必要がないと認められる種類の新聞や本などというものは手に入れ難く、しかもその必要でないという結論は、決し・・・ 宮本百合子 「ペンクラブのパリ大会」
・・・ 私は賢しこい読者に多くを云わず、或る方々は全集の装幀が華やかだから購読なさるであろうバルザックの作品の中から、一つの文句をとり出そうと思います。バルザックはこういう意味を結論した。「民衆と女とは、吾々の平和のために圧えておかなければな・・・ 宮本百合子 「私も一人の女として」
・・・ すぐ『働く婦人』の事務のために働いていただくことはこういう次第で出来ませんが、お話の様子ではあなたは『働く婦人』を毎号お読みのようですから、先ず、直接購読者となり、追々『働く婦人』を中心としたサークルをこしらえて行ったら実にいいと思い・・・ 宮本百合子 「「我らの誌上相談」」
出典:青空文庫