・・・ソヴェト同盟で、プロレタリア文学の創作方法におけるこの問題が起った社会的根拠は、第一次五ヵ年計画の成果によってプロレタリア文学運動の分野にあっても、他の生産部門においてと同様、多数の新しい労働者、集団農場員幹部をもつようになったこと、労農文・・・ 宮本百合子 「社会主義リアリズムの問題について」
・・・ロストフ市から数十哩東にソヴェト一の大国営農場「ギガント」がある。 一九三〇年の収穫時、そこを見学し、土地はどうつかわれるべきものか、社会主義農業とはどういうことを意味するか。燃える夏空の下で驚歎をもって観察した。 そこは、全く新し・・・ 宮本百合子 「砂遊場からの同志」
・・・親が例えば選挙権をもたないでも息子が赤衛兵ならば集団農場に加入を許される。 手風琴を鳴らして赤衛兵が腰かけている窓の下の掘割を、ボートが一艘漕いで来た。ボートの中には二列に赤衛兵がつまって四人がオールを握っている。一人がギターを抱えてい・・・ 宮本百合子 「スモーリヌイに翻る赤旗」
・・・ ソヴェト同盟では、集団農場・国営農場があって、機械化された農業が行われている。この一事は、ロシアのムジークを社会主義的生産の農業労働者にしたばかりではなかった。トラクターをのりこなす若者たちはタンクに苦労する必要がなかった。ソヴェト式・・・ 宮本百合子 「政治と作家の現実」
・・・ 集団農場組織に向ってのアジプロとして映画が使われていることは「古きものと新しきもの」又は最近日本にも入って来た「大地」を見てもよくわかる。そればかりでない、ソユズ・キノは、ごく初歩的な啓蒙のためのフィルムを一年に何本作るかと云うプラン・・・ 宮本百合子 「ソヴェト同盟の芝居・キネマ・ラジオ」
・・・ 農村でも、話はソヴェト選挙にあつまって、農村を、集団農場を本当にうまくやって行くにはどんな人間を選び出したらいいかと討論する。 村や町のソヴェトから、演説者が来て、どういう人を選ぶべきかを教える。 勤労婦人は、ソヴェト選挙にあ・・・ 宮本百合子 「ソヴェト同盟の婦人と選挙」
・・・その時の上演目録はコムソモールのコンムーナを取り扱った陽気なオペレットと五ヵ年計画に於ける農場の集団化を主題としたドラマだった。オペレットの事だから筋は割合他愛の無い物だし、歌がどっさり這入り陽気にやっているらしくは見えるが全体に漲るユーモ・・・ 宮本百合子 「ソヴェト「劇場労働青年」」
・・・全ソヴェトの劇場管理を職業組合と集団農場中央と、人民文化委員会芸術部との協力によってしようとする計画。及び、これまでは革命前の通り、クレムリンに近い所謂劇場広場を中心として、モスクワ河の北に主な劇場があった。それを、工場の多い河向うへ、生産・・・ 宮本百合子 「ソヴェトの芝居」
・・・ 共同農場でも同じ様で、大きなものになると、収穫時にはキャンプ生活をやるのだが、その一つのキャンプが「クラブ」になる。ラジオ、読書室、キャンプ新聞発行所等があり移動映画隊を利用する。「クラブ」の映画について云えば、映画の研究と見学批判を・・・ 宮本百合子 「ソヴェトの「労働者クラブ」」
・・・モスクワの白露バルチック線停車場のプラットフォームは、赤いプラカートと、工場から、集団農場から、各文学団体からの出迎人でいっぱいだ。やがて、列車は徐行してプラットフォームへ入って来た。真先にそこから現れたのが、ドイツの革命作家ヨハンス・ベッ・・・ 宮本百合子 「ソヴェト文壇の現状」
出典:青空文庫